朝日がまぶしかった。
足を負傷した一人に、肩を貸すのは二人。
疲れきっていながらもどこかほこらしげに漢の一人が笑う。
しっかりと懐に『劇場版AIR』のDVDを確保しているあたり、さすがだ。
憑き物が落ちたかのように晴れやかな同志も微笑む。彼の話では裏・兄者同盟の陣容はただごとではない。
三人の足取りがすこし重くなる。
「……たいへんなのはこれからですね」
「だが、やるしかない」
「そうですね。とりあえず、どうしましょうか?」
「そんなの決まってるじゃないか」
アイコンタクトで当面の行き先が即決される。
この面子で メ イ ド カ フ ェ 以外のどこに行くというのか。
ひとときの安息を求めて――
兄者同盟は征く。
道を――
ここではない、どこか。
いまではない、いつか。
それを信じて――
そう。
兄者同盟の戦いははじまったばかりだ。
(第一部完)
ご愛読ありがとうございました。兄者先生の次回作にご期待ください。 |